カルシウムを摂れば歯は強くなる？
私たちの歯の主成分は、「リン酸カルシウム」です。これは全身の骨格を形成している骨とほぼ同じなので、カルシウムをたくさん摂ることで、歯も丈夫になりそうなものですよね。けれどもそれは、必ずしも正しい考え方ではありません。なぜなら、大人の歯はもうすでに発育が完了しているからです。
大人の歯を強くできるのはフッ素
大人の歯は、象牙質とエナメル質の発育が完了しているため、いくらカルシウムを体内に摂りこんでも強くすることはできません。歯は骨と違って、再生することのない組織であり、壊れては作り変えられるという現象が起こらないのです。そういう意味で大人の歯を強くできるのは、フッ素だけといえます。
子どもの歯はカルシウムで強くなる
乳幼児は、歯が発育途上にあるので、カルシウムをたくさん摂取すればその分、歯質も強くなります。健康な歯を育むためにも、カルシウムが豊富に含まれた食品をバランス良く与えてあげましょう。カルシウムが不足して、発育が上手く進まないと、虫歯にもかかりやすくなります。ですから、子どもの時期はフッ素を歯面に作用させると同時に、身体の中にカルシウムを摂りこむことも必須となります。
カルシウムを効率良く摂れる食品
カルシウムが豊富に含まれた食品は次の通りです。
- 牛乳
- ヨーグルト
- チーズ
- 小魚
- 豆腐
- 納豆
- 野菜類
- 海藻類
乳製品や大豆製品などが大部分を占めているので、習慣的に摂りやすいかと思います。カルシウムが豊富に含まれた食品・食材はその他にもたくさんありますので、気になる方は当院までお気軽にご相談ください。
まとめ
このように、カルシウムは歯の主成分であるので、発育期には適切な量を摂取する必要があります。発育が終わった歯には、カルシウムによる強化作用は期待できないため、歯を強くしたいと考えるのであれば、フッ素を活用しましょう。ちなみに、大人になってからでも骨は常にカルシウムを必要としていますので、毎日、適量を摂取する意味は大きいです。
