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虫歯は母子感染に要注意?

「母子感染」というと、取り返しのつかない重篤な感染症を思い浮かべますが、実は誰もがかかる虫歯もそのうちの一つとして挙げられます。虫歯は母から子へ感染することがあるため、これから出産を控えている方や、赤ちゃんを育てている方は十分に注意する必要があります。今回はそんな虫歯の母子感染について詳しく解説します。

虫歯は細菌感染症

虫歯は細菌感染症の一種です。ミュータンス菌に代表される虫歯菌に感染することで発症するのですが、少し複雑な面もあります。なぜなら、私たち大人のほとんどはお口の中に虫歯菌が存在しているからです。虫歯菌はお口の中の常在菌の一つとして数えられることもあり、ミュータンス菌が口腔内に住み着いたからと言ってすぐに歯が溶け始めるわけではないのです。ただし、お口の中に虫歯菌がほとんど存在していない人もいます。それは今回のテーマである「虫歯の母子感染」を免れた人といえるでしょう。

赤ちゃんのお口は無菌状態?

生まれて間もない赤ちゃんのお口の中は細菌などが一切いない無菌状態であり、当然ですが虫歯菌も住み着いていません。生後6~8ヶ月くらいから乳歯が生え始めて、やがては虫歯菌が住み着くようになるのですが、感染源となるのは毎日たくさんのスキンシップを行っているお母さんが多いです。食べ物を口移しで与えたり、食器を共有したりすることで虫歯菌が移ります。これを広い意味で「虫歯の母子感染」と呼んでいます。

虫歯の母子感染を防ぐ方法

お母さんが虫歯にならない

虫歯の母子感染は、お母さんが妊娠中から虫歯予防に努めることで防止できます。そもそもお母さんのお口の中に虫歯菌がいない、もしくは極端にその数が少なければ、赤ちゃんに感染が広がることもないのです。妊娠中に虫歯が発生した場合も適切な時期であれば治療を行なうことができますので、出産前に治してしまうことをおすすめします。具体的には、妊娠中期の母体が安定している時期ですね。歯周病を発症している場合も同様に、妊娠の安定期であれば問題なく治療できます。

「感染の窓」が開く時期に注意する

子供には、虫歯の母子感染が起こりやすい時期があります。それは1歳半から2歳半の1年間で、専門的には「感染の窓」が開く時期と呼ばれています。この時期に食べ物の口移しやキスなどを控えることで、虫歯の母子感染を防ぎやすくなります。もちろん、それはお母さんとのスキンシップだけではなく、一緒に暮らしているご家族全員も含まれますのでご注意ください。感染の窓が開く時期を上手く乗り切れれば、その後は虫歯の発症リスクが顕著に低下することがわかっています。

妊娠中はお口が不潔になりがち?

妊婦さんは、ホルモンバランスの乱れによって唾液の分泌量が低下したり、つわりの影響で口腔ケアが不十分になったりすることで、お口が不潔になりがちです。その結果、虫歯や歯周病のリスクが上昇する点に注意しましょう。妊娠性歯肉炎という病気があるくらいですから、歯周病への対策はとくに重要といえます。ですから、妊娠中もタイミングを見計らって、歯科検診を定期的に受けるようにしてください。それがお子さんへの感染予防へとつながります。

まとめ

今回は、虫歯の母子感染について解説しました。虫歯や歯周病は細菌感染症であり、唾液を介して容易に感染が広がります。とくにスキンシップを取る機会が多い母子間でうつりやすい病気といえますので、お母さんは十分に注意してあげてください。そんな虫歯の母子感染を徹底的に予防したいという方は、いつでもお気軽にハートライフ錦糸町歯科クリニックまでご連絡ください。

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